好きになるには理由があります
「素敵ーっ。
 英ちゃんーっ」

 きゃーと万理たちが騒いでいる。

「ありがとうっ。
 深月の魔の手から清春を守ってくれてっ」

 だから逆っ、と思う深月は杵崎に腕を引っ張られる。

「あ、ありがとうございます、杵崎さ……」

 ん、という前に、杵崎は手を握ってきた。

「一宮、俺は愛は永遠じゃないと思う」

 何処かで聞いたぞ、このセリフ。

「お前はいずれ、陽太と別れるだろう。
 そのときは俺のところに来い。

 約束だぞ」

 あー、はいはい、とまた深月は適当な返事をしてしまった。
 
 約束だけだが、重婚罪だ。

 そう思ったとき、
「深月っ」
と陽太が重機から降り、やってきた。

「よかった。
 深月っ、大丈夫かっ」
と抱きついてくるが。

 いや……、私、今、貴方に殺されかけたんですけどね、と深月は思っていた。
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