好きになるには理由があります
 


「大丈夫か?
 清春とで息合うのか?」

 二人の登場に漁船で見ているおじさんたちが心配している。

 だが、舞台を見ながら、則雄は、ひひひ、と笑った。

「大丈夫だろ。
 あの二人の心はひとつになっている」
と。

 扇を手に舞う、面を外した陽太と清春。

 神楽は終わりに向けて、人数が減っていき、今は人の姿をした陽太と清春だけが舞っていた。

 うん。
 息がぴったりだ。

 お互いが相手の一挙手一投足に意識を向けている感じだ、と思いながら深月が見ていると、則雄が笑って言ってきた。

「二人とも、お前に深月は渡さんっ、と思って、相手のことを意識してるからな。

 下手な恋人同士より、相手の空気が読めるんだろ」

 ……今、ちょっと清ちゃんに嫉妬してしまいましたよ、ノリさん。





< 458 / 511 >

この作品をシェア

pagetop