好きになるには理由があります
「俺は願いが叶わなかったときから、神様なんて信じないようにしていたが。

 今日は神が降りてきたと思った。

 考えてみれば、人類が長い歴史の中で、あれだけ祈りを捧げ続けたんだ。

 例え、もともと、この世に神というものが居なくとも。

 こうして繰り返される人々の祈りの力で、きっと神は産まれてる――」

 そう言い、手を握った陽太は、

「で、」
と深月を振り向き、言ってきた。

「みんなの気持ちはひとつになったが、俺とお前の気持ちはどうだ?」

 いやいやいや、改めてそれ、訊きますか?
と深月は赤くなる。

「いやまあ、そうですね。

 ……うん。

 ……私たちの気持ちも同じ感じになってるかもしれないですね」
と照れもあって、誤魔化すような告白をしたあとで、深月は言った。
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