好きになるには理由があります
「でも、ほんと、今年はなにか降りてきたと思いました」

 すかさず、
「巫女は穢れていたのにな」
と言われ、

「……だから、穢れてなかったじゃないですか」
と言うと、

「でも、俺に夢中で神様のことなんて考えてなかったんだろ」
と言われる。

「いや、だから、それもまた、人類の営みのうえで、大切なことだなって……」
ともごもご言うと、

「つまりは俺と結ばれて、子孫を増やし、人類繁栄を願おうと思ったってことだな。
 さあ、増やそう」
と陽太は深月の手をつなぎ直す。

 さっきまで、恋人同士な握り方だったのに、完全に連行される感じの握り方になっていた。

「待ってくださいっ。
 なんでですかっ」
と船に引きずって行かれながら、深月は踏ん張る。

「だって、祭り終わったろ」

「神楽がですっ。
 まだ明日までありますよっ」

「お前ももう終わったって言ったじゃないか」

「いやいやいや。
 私の出番が終わっただけですからっ。

 離してください~っ。

 さっきまで硬派な感じで格好よかったのになんなんですかっ。
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