好きになるには理由があります
「いや、お話ありがたいんですが。
 俺は……」
と陽太が断りかけると、則雄は、

「でもお前、万蔵さんの見舞いに一緒に来るなんて、深月と付き合ってるんじゃないのか?

 深月と結婚するのなら、お前もこの土地の人間だ。

 十二年に一度の大祭だぞ。
 ちょっとは協力しろよ~」
と言い出した。

「それにしても陽太。
 よく深月が捕まえられたな。

 こいつは、ぼーっとしていて、少々誰かがアプローチしてても気づかない奴なのに」

 いつ、誰が私にアプローチしましたか、と深月は思っていたが、則雄は、ひひひ、と笑って言った。

「まあ、深月をよろしく頼む。
 ちょっとぼんやりしてて、家事も苦手で、底なしに酒を呑むし、色気のカケラもないが……」

 そこで則雄は黙り、天井を見上げて考える。

 全然褒めてない、と気づいたのだろう。
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