都の剣〜千年越しの初恋〜
「サシャとツキヤは、禁断の恋に落ちてるんだよ！あの世のロミオとジュリエットだね」

沙月がそう言った刹那、葉月は沙月のおでこにデコピンを食らわせる。

「痛っ！」

おでこに手を当てる葉月に、「それくらい俺でもわかる」と葉月は呆れながら言った。

「そろそろ帰らないと、夕食の時間だよね」

「ああ、そうだな」

夕焼けに染まった部屋を見つめ、葉月が沙月を優しく立ち上がらせる。

「とりあえず帰るか」

「うん！」

二人は仲良く手をつないで帰った。



この世界にたくさんの国々があるように、あの世にも、様々な国が存在する。なぜなら、国や地域によって神や妖怪、霊の存在が違うからだ。

桜姫と朧は、まるで江戸時代にタイムスリップしたかのようなレトロな家や建物が並ぶ道を歩く。道行く人も、みんな着物だ。この国では着物が普段着として着られている。

町を歩いていけば、大きな城が見えてきた。立派な石垣や天守があり、人々はその城の美しさに見とれている。
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