都の剣〜千年越しの初恋〜
二人はその城に入っていく。この城に来たのには、大きな重要な目的があるからだ。

絢爛豪華な和室には、これまた豪華な和服を着た男性。その目はとても鋭く、威圧感を放っている。

「ご報告に参りました」

桜姫と朧は同時に頭を下げる。男性は威圧感を放ったまま、「ご苦労」と言って頭を下げる。

それから桜姫と朧は報告をしたのだが、和室はまるで誰もいないかのように静けさがあった。

「……そうか。思い出し始めている、と」

男性はそう呟く。朧が「いえ！まだ完全にというわけでは…」と言うと、男性は朧を睨みつける。朧はびくりと震えた。

「どちらにせよ、サシャの記憶が戻る日が近い。……支度をしておけ」

「……支度……ですか？一体何のーーー」

桜姫に男性は「裁判、そしてサシャの着物などだ！！」と怒鳴りつけ、二人に下がるように命じる。

桜姫と朧はビクビクしたまま、部屋を退室した。

「はあ〜…。やっぱりイザナギ様は怖いよ」

震える朧を、「こら！」と桜姫が叱る。こんなこと、誰かに聞かれたら大問題だ。
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