都の剣〜千年越しの初恋〜
夢のことを調べ始めて一ヶ月。もう学校は夏休みに入っていた。

二人は電車に乗り、京都に来ている。理由は二つ。一つは葉月の帰省。もう一つはーーー夢のことを調べるためだ。

夢のことを調べ始めてすぐ、葉月は沙月に実家のことを話してくれた。

「俺の実家に使われてない蔵があるんだ。そこに何かあるかもしれない」

葉月の家には行ったことがない。一緒に行くということに沙月は緊張した。

さらに驚くことを葉月は言った。

「実は……俺の曽祖父は、生きているうちにあの世に行ったことがあるらしいんだ」

「ええ!?でも、普通の人…というか私たちでも行けないのに?どうやって?」

驚く沙月に、葉月は首を横に振る。

「その方法や、あの世のことが記録されていたら一気に調べごとが進むだろう」

「そうだね!」

妖怪たちや、両親を説得し、沙月は葉月の帰省に一緒についていくことが許された。

そして、今に至る。
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