都の剣〜千年越しの初恋〜
しかし、イザナギが出した答えは変わらない。人と神は結ばれてはならない。サシャとツキヤは別れなければならない。

ツキヤは連れて行かれ、サシャは顔を手で覆い隠した。涙を見せたくなかった。強き者は、泣いてはいけない。

「あの若者の転生を早めろ。そして、サシャの見合い相手を探せ」

「…はい!」

大臣にそう命じ、イザナギは部屋を出ていく。イザナミは、サシャに申し訳なさそうな目を向けながらイザナギの後に続く。

こうして、二人の関係は無理やり終わらさせられたのだ。



しかし、サシャもツキヤも互いへの想いを捨てることなどできなかった。別の誰かを代わりに愛するなど、できなかった。

サシャは、ツキヤに術のかかった手鏡を渡していた。それはどれだけ離れていても特定の相手と話せる鏡だ。

町に気軽に行けなくなったサシャは、ツキヤと鏡を通して愛を深め合った。

「……こんなことになるなんて、すまなかった」

サシャが謝ると、ツキヤは「あなたのせいではありません」と首を横に振る。
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