転生令嬢は小食王子のお食事係
 あとはオーブンで焼くだけだ。
 作業を見守っていたエマが期待に輝く目でキッシュを見つめている。
「見た目はグラタンのようですね!」
 上にチーズがかかっているから確かに現時点では似ているかもしれない。
「ふふふ、焼き上がりを楽しみにしててくださいね」
 食感は味わいはグラタンと結構違うので、できあがった時のエマの反応が楽しみだ。
 オーブンを開けてもらい、私はキッシュの生地を敷いたフライパンを中に入れる。
 あとは様子を見ながら焼き上げるだけだ。
「スープストックはどうですか?」
「かなり煮えてきましたよ」
 私がキッシュを作っている間、エマはスープストックを見てくれていた。火加減を調整しながら、湧いてくるアクをひたすら取る作業だ。
 鍋の中を覗いてみると、きれいにアク取りされたスープができていた。
「とてもいい感じですね! おいしいスープが作れそう!」
「やったー! 今日は何のスープにします?」
「そうねえ、さっきキッシュにも使ったかぶのスープにしましょう! 煮込んだときのとろっとしたかぶの食感がとてもおいしいと思いますし」
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