転生令嬢は小食王子のお食事係
 設備はひと通り揃っているけれど、掃除が行き届いてないように見える。毎日使っていたらこのようなことはないはずだ。
 食品を放置したような異臭がしないだけマシかもしれないが、日常的に調理に使われているようではなかった。
 エマはコンロを覗いている。
「これ、最後に使ったのはいつなんでしょう? 灰はありますけど、古そうです」
 しゃがんだ状態でコンロの灰かき口を覗いているエマが言った。
「他の使用人はコンロを使うことはないのかしら? お茶くらい淹れるでしょう?」
「お茶を淹れるくらいでしたら簡易的なものがあるので、それで済ませているのではないですか?」
 私の疑問に答えたのはマリオンだった。
「使用人の食堂には暖炉もありますから、そこで簡単なものなら煮炊きもできると思います」
「確かに、それもそうね」
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