転生令嬢は小食王子のお食事係
『愛妾目当てのメイド』
 着崩したメイド服の襟元から見えたグラマラスな胸元やメイドには過分な化粧から、彼女がそのメイドなんじゃないかと思った。
「……他のメイドもそうなのかしら?」
 王子宮では、今しがた会った赤銅色の髪をしたメイドしか遭遇していない。
 掃除や給仕などメイドとしての仕事ではなく、第二王子の愛妾目当てにこの屋敷にいるのであれば、管理の行き届いていない館の状態も納得だ。
 ノーマンに言いつけると言ったが、そもそもこちらは王妃様の使いとして来ているわけで、正当性は比べるまでもないだろう。
 ……通常ならば。
 本当にいろんな意味で第二王子は大丈夫なのか心配になってくる。
 今思えば、王妃様もこうして私に頼まなければわからないのだろう。もう自立して一緒に生活をしておらず、住んでいる建物も違う。
 同じ敷地内とはいっても王宮の敷地は広大で、それぞれ高貴な身分の王妃様と第二王子は面会するにも、幾重にもやりとりをしなければならない。
 親子といえど難儀なものだ。
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