転生令嬢は小食王子のお食事係

「いや~うまかった!」
 ふた切れ目を食べ終わったテオが言った。そう言いながらも調理台にある焼成前のピザに視線が向かっているところを見ると、まだ食べたりないようだ。
「ところでテオは、また食料を届けに来たんですか?」
「ああ。食料っていっても簡単なものだけどな」
 テオに断って彼が持ってきた木箱の中を覗く。
 中にはパンとチーズ、ハムが入っていた。切れば簡単なサンドイッチにはなるが、あまりにも味気ない。
「……えっと、こちらの使用人はみんなこれを食べてるんですか……?」
 正直、毎日この食事では仕事をサボりたくなってもおかしくない。
 唖然とする私にテオは苦笑する。
「ここではな。ただ、王宮からの通いの使用人もいるし、向こうの食堂でも食べられるようにしているから食事は各々好きにする方針らしいぞ」
「そうなんですか……」
 ひとまず王子宮の使用人は、食事には困っていないらしい。
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