転生令嬢は小食王子のお食事係
 おいしいと感じてくれているのだろう。
 ふた口目をかなり大きな口で頬張ったテオはあっという間にピザを平らげた。
「……こんなにおいしいのははじめてかもしれない」
「まあ、それほどまで……!?」
 おいしいと感激してくれるのは何よりも嬉しいことだ。テオにとってはとてつもない衝撃だったのかもしれない。
「では、もうひと切れ食べますか?」
 こんなに喜んでくれるなら、作った甲斐がある。
「あー! アイリーン様、私にもっ!」
「あら、エマもまだ食べるんですか?」
 ピザは六等分したので、私が一ピース、エマが二ピース、テオが一ピースを食べたので、残りが二ピース。
「では、エマとテオで一つずつどうぞ」
 私がそう言うと、ふたりは『待ってました』とばかりに、一斉に手を伸ばす。二方向に持ち上げられたピザの間にチーズがとろりと糸を引いた。
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