転生令嬢は小食王子のお食事係
 気安いふたりのやりとりに私は驚いた。
 テオが毒味をしたものはレオナール殿下の前へ運ばれ、テオには新しい料理が出された。
 昨日は、なんの感想もなかったからおいしいと思ってくれたのかわからなかった。
 私はドキドキしながらレオナール様が食べる姿を見守る。
 テオと同じように、オムレツをひと口食べてから、オニオングラタンスープをスプーンで掬う。
 テオというテスターがいたためスープが熱々だと知っている彼は、ふーと息を吹きかけてから、慎重に口に運んだ。
 音も立てずきれいな動作でスープを飲んだレオナール様は目を見開いた。
 そして、再びオニオングラタンスープを掬う。
「あの、できれば中に入っているパンを崩して一緒に召し上がってみてください」
「中に入っているこれはパンなのか……」
 まさかスープの中にパンが入っているとは思っていなかったのだろう。
 まじまじとスープの中を見つめている。
 でもその目には好奇心があふれているように輝いていて、すぐに私の助言通りパンを一緒に掬い上げる。
 しかし、今度は十分に冷ます前に口に含んでしまったらしい。熱そうにハフハフしている。
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