転生令嬢は小食王子のお食事係
 料理長とエマの反応はなかなか良さそうだ。特に料理長は気に入ってくれたらしい。
 もしかしたら男性には甘酸っぱいイチゴジャムより酸味と苦味が多少あるオレンジマーマレードの方が好きかもしれない。
「オレンジのジャムは料理に使ってもいいんですよ。隠し味にもいいし、照りを出すにもとても重宝します」
 マーマレードジャムは、以外と料理にも使える。特に肉料理にはぴったりで、お肉を柔らかくする上にコクを出し、ソースに照りを与えてくれる。
 イチゴジャムでも出来なくはないが、マーマレードの方が味が馴染みやすい気がする。
「それはいいこと聞いたな! ……味をもっと確かめるために、どれ、もうひと口……」
 料理長はそう言って、スプーンを再びマーマレードジャムに伸ばす。
「ダメですよ! 王妃様にお出しする分がなくなっちゃいます! ――って、ああ!!」
 そうだった! 王妃様のお茶の時間!!
「こうしてる暇はないんでした! 早く準備をしないと王妃様のお茶の時間になってしまいます!!」
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