転生令嬢は小食王子のお食事係
 ゆっくりマーマレード談義をしている時間の余裕はなかった。
 私は慌てて、冷やしているミルクレープを持ってくる。できあがったホールのままなので、まずはこれを切り分けなければならない。
 ケーキを綺麗に着るために必要なのは、お湯と良く切れるナイフ。
 まずはお湯でナイフを温め、水気をしっかり拭う。そして、ナイフを滑らせるように切り分ける。
 ナイフを入れる度にお湯でナイフを温めつつ、ナイフにつ付いたクリームをしっかり拭う。こうすることで綺麗な断面に切ることができるのだ。
 お皿に取り分けるのは、実際に給仕するとき時にするので、カットしたホールのままで大丈夫。ジャムもひとつの器に盛りつけておいて、王妃様の要望によってお好みの量を添えるようにする。
 お茶はお部屋に用意があるから大丈夫だし……。
 頭の中でお茶に必要なものを想像しながら、確認していく。
 そうしているうちに厨房に、王妃様付きのメイドがやってきた。
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