転生令嬢は小食王子のお食事係
 そういったことをすることから、女官は貴族の子女でなければなることができない。
 現在の私は、王妃様の公務のお手伝いに同行することが主な仕事。その前段階として、先輩の女官の方々とお茶をご一緒して礼儀作法をしっかり学んだり、必要な情報を覚えたりする毎日なのである。
 ただ、今日のお茶の時間は特別だ。
 なにしろこっそり料理をしていたのがバレていたのが発覚し、さらに私の力量を試すようにお菓子を作るように言われたのだ。
 王妃様とご一緒するときはいつも緊張するが、今日の緊張はいつもの比じゃない。
 お茶会室が近づくにつれ、私の心臓はだんだん音量を増していっている。
 お部屋の前に着くと、開け放ったドアの前でメイドが待機していた。
「アイリーン様、こちらへどうぞ」
 メイドに案内されてお茶会室に入ると、数名の女官が既に席に着いていた。
「ごきげんよう、皆様」
 緊張した様子を見せないように笑顔で先輩の女官たちに挨拶をすると、皆様優美な笑顔で挨拶を返してくれる。
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