転生令嬢は小食王子のお食事係
 そんなことを考えていると、離れのドアが開いた。
「アイリーン様!」
 出てきたのはマリオンだった。
「もしかして誰の共もなくこちらにいらっしゃったのですか!?」
 私ひとりしかいないことに目を止めたマリオンは、ぎょっと目を見開いた。
「ええ、ここに来るまで使用人のひとりもいなかったので、仕方なく……」
「まあ、なんてことなのでしょう! 王子宮でありながらあり得ませんわ……! アイリーン様、さあ中にどうぞ」
 マリオンに促され、私は離れの中に入った。
 離れ、と言ってもそこは小さな邸宅のような場所だ。
 滞在中、ここの主人は私になるのでひと通り離れの中を見て回る。
 一階の玄関からすぐのところにキッチンがあるので、そこから見てみることにする。 キッチンではさっそくエマが使えるように準備を整えていた。
「エマ、キッチンはどうかしら?」
 私が声をかけると、コンロの下で作業をしていたエマが顔を上げた。
「アイリーン様、あまり近づくと灰がかかりますよ!」
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