転生令嬢は小食王子のお食事係
 コンロの準備はエマが引き受けてくれていた。
「エマ、こちらのコンロの調子はいかがですか?」
「昨日頑張って灰かきしたので、大丈夫だと思います! ちゃんと暖まりますし! ただ、火加減の調整は使いながらですね……」
 使えると言ってもコンロはそれぞれ癖がある。
 こちらの世界のコンロは、箱形で側面に薪をくべるドアと、オーブン部分、その下に灰を掻き出すドアがついている。コンロになるのは天板部分になのだが、コンロによって、熱の伝わり方がまったく違う。
 位置によって弱火強火と分かれるが、その強さもコンロによりけりだ。
 エマが使い慣れた王妃宮の厨房のコンロとは違うため、使ってみないことには熱の強さも分からない。
 それを試すためにも、焦げにくく、長時間煮込むスープストック作りは打って付けだ。
 十分に暖まったコンロの強火の位置に鍋を置き、沸騰するまで待つ。
 その間に別の料理も作っていくことにする。
「オーブンの使用感も確かめたいですね。オーブンで焼く料理となると……」
 オーブンをよく使うとなると焼き菓子が思い浮かぶが、それこそオーブンの癖を見てから作りたい。
< 96 / 215 >

この作品をシェア

pagetop