転生令嬢は小食王子のお食事係
 そうなると食事系の料理の方がいいかもしれない。
「少し手間がかかりますが、キッシュでも焼きましょうか」
「キッシュ! それははじめて聞く名前ですね! お菓子ですか?」
 エマが好奇心いっぱいに聞いてくる。
「キッシュはお菓子じゃなく、食事として食べる料理ですよ。形はパイに似てますが、野菜や肉類を入れるので甘くないんです」
「想像できませんけど、おいしそうですね!」
 どんな料理か分からないけれど、楽しみにしてくれていることは分かって、無邪気なエマの様子に微笑みが浮かぶ。
「では、キッシュを作ってみましょう」
 まずはキッシュの土台になる生地作りだ。
 小麦粉、塩、油、牛乳をボウルに入れ、フォークで混ぜていく。生地がぽろぽろとしてきたら、手でまとめて、寝かせるために乾燥防止のぬれ布巾をボウルにかぶせ涼しいところに置いておく。
 次は、中の具材の前にキッシュを焼く型の準備だ。
「キッシュの型はさすがにないのでフライパンで焼きましょうか」
 フライパンで焼くと言っても、コンロではなくオーブンで焼く。
 こちらのフライパンは鉄製なので、オーブンに入れて調理することもできるのだ。ただ、元の世界でメジャーだったテフロン製のフライパンとは違い、扱いがやや面倒くさい。
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