寂しがり屋の月兎
と、説明したのだが。

彼女は全く聞く耳を持たなかった。

親の仇かのように、有明を睨めつけている。

有明は困惑を通り越していらついてきた。

知らないわよそんな男。

あんたは私になんて言ってほしいのよ。

いつまで続くのよこの不毛な時間。

言ってしまいたいのを言わないのは、言えば長引く、と脳のどこかがわかっていて、理性を働かせているからだった。

「──だから、告白に応えてあげてって言ってるわけじゃないんだよ。せめて覚えておきなよ! ねえ、思い出せないの? ひどくない? 何人にも告白されてるから、誰が誰だか判別つかないってわけ?」

あーもう。
< 213 / 230 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop