寂しがり屋の月兎
せせら笑うと彼女の目つきは剣呑になる。

「嘘つき呼ばわりとかひどくない?」

「私のことひどいひどいってさっきから言うけどさ、じゃああんたはどうなのよ。今までの、暴言と言っても間違いじゃないわよ」

「暴言なんかじゃないでしょ! あたしはあの子のために怒ってあげてるだけだもん」

は、と鼻で笑ってしまう。

全くバカバカしい。呆れてものも言えない。

「じゃーね。もう話すことないでしょ」

「ちょっ……」

踵を返しかけた有明の進路を塞ぐように彼女は動いた。

彼女の目はギラギラしている。怒り。苛立ち。

それらは彼女の体を突き動かした。
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