寂しがり屋の月兎
女子生徒は勢いよく右手を振り下ろした。

手のひらはきれいに有明の左頬を叩き、首が真横に振られた。

一瞬で頬が熱を持つ。痛かった。

しかしそんなことはおくびにも出さなかった。

つつ、となにかが頬を伝っているような気もする。

有明は微笑んだ。

「満足?」

発した声に怒りが満ちているのが、自分でもわかった。

女子生徒は我に返ったのか、少し青ざめている。

彼女の右手の人差し指、その爪先が、赤くなっていた。
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