寂しがり屋の月兎
「ねえ。人のことひどいとか言う前に、自分のことを省みたらどう?」

微笑みは崩れない。

「いきなり平手打ちかますような人間は、ひどくないんだ?」

「あ……違くて……」

「違うの?」

なにが? と小首を傾げる。

「言わせてもらっていい?」

質問の形を取りながらそれは質問ではなく、相手もただ震えるだけだ。

「どんな大義名分があるのか知らないけど。話も聞こうとせず、自分の主張押しつけるだけで、挙句の果てに暴力振るうとか、普通に最低でしかないわよね」

ぎくり、と彼女の肩がこわばった。
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