寂しがり屋の月兎
「望が遮ってくれてよかった。私は、ぎりぎり、本当に最低な人間にはならずに済んだ」

「……そうか」

三日月が発した言葉はそれだけだったが、きっと有明には、そのくらいの距離感がちょうどいいのだと思う。

彼女はドリンクを飲みながら、気だるそうな顔をした。

「……はあ。望に会いたい……」

俺ですみませんね。

悪気なく蔑ろにされていることには怒っていいだろうに、相槌を打つあたり、三日月はお人好しだ。

「……望だけが……私の友だちなのに……」

「………………」

三日月の胸になにかが引っかかった。
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