寂しがり屋の月兎
「じゃあ……」

もやもやの正体はわからぬまま、思い浮かんだ言葉を三日月は口にしていた。

「有明さんにとって、俺は友だちじゃない?」

「……え?」

虚をつかれた、とはこういう顔を言うんだろう。

二人はしばし、無言で顔を見合わせた。

「……友だち……」

どうも有明は、考え込んでいるらしい。

三日月は呆れた。休日に呼び出し、ファストフードを食べながら愚痴る相手は、三日月は友だちと定義する。

そもそも、友だちなんて曖昧だ。適当に言っておけばいい。なにも慎重に見定めるものじゃない。
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