寂しがり屋の月兎
「本当は望ちゃんと二人がよかったんだけど、三日月って俺以外に友だちがいないから……」

「いるわ。お前こそ俺以外に友だちいないだろ」

「望ちゃんは友だちだもん」

「二人だけかよ」

親しく言い争う二人を見つつ、望は着々と箸を進める。

「あ、そうだ。なんで二人が友だちになったのか、聞きたいと思ってたんだった」

「それは、俺と望ちゃんとの秘密」

「てっめ……」

箸を握った手をふるふると震わせる三日月。

素知らぬ顔で兎田はおかずを口に放り込んだ。

「ね、どうなの? 玉川さん」

「え? えーと……」

兎田の口を割らせることを諦めて、三日月は望に問いかける。
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