年下幼なじみにずっと愛されてました
「莉子、テーピング巻いて。」
「えっ、どうしたの?」
「なんか痛い。」
「莉子、俺が持つ。」
「あ、ありがとう。」
あの日幼なじみだと明かした次の日から遥は頻繁に話しかけてくる。
結衣によれば私と遥の関係はあっという間に学校中に広まったらしいけど、今のところ私の学校生活に変化はなかった。
けど、バスケ部内では変わった気がする。
今まではマネージャーとしての会話がほとんどだったけど、何故か当たり障りのないことを話しかけられることが多くなった。
飛鳥先輩は『莉子が高嶺の花すぎて話しかけられなかったんだよ。でも、遥の幼なじみってだけでなんか親近感が湧いたんじゃない?』と言っていた。
距離が縮まった気がして前より部活が楽しくなった。
それに、部活により集中できるようになったのかもしれない。
あの後、さくちゃんは良い機会だからとファンクラブを解散させたみたいだ。
とは言っても、部活中に集まって応援するのを禁止にしただけらしくて、個人で迷惑かけない程度に応援するなら良いとなったらしい。
だから、あまりブーイングはなかったと言っていたさくちゃんの表情は少し疲れていた。