年下幼なじみにずっと愛されてました
「守れなかった。傷つけた。俺のせいで莉子が苦しい思いをした。……もう、そんな目に莉子を合わせたくなくて。」
ぎゅうっと抱きしめる腕に力が込められる。
「守るから。…だから、莉子の側にいさせて?」
苦しそうな遥の声
あのことは遥が責任を感じることないのに。
遥の背中に手を回し、昔とは違う、大きな背中を感じる。
そして、私は大丈夫だと伝わるように。
「遥のせいで、なんて思ったことないよ。それに私は遥がいてくれたからバスケ好きになったし、サポートする側になりたいと思えるようになった。」
「…あの紙、渡したよね。あれが、私のバスケ人生の原点だから。」
遥への憧れを綴ったもの
それが意味するのは、遥は私の人生においてなくてはならない人ということ。
「だから遥を支えられるのが嬉しい。マネージャーとして、しっかりサポートするから。」
とんとんと優しく背中を叩いて、ものすごく安心する遥の腕の中で心地良くなっていると、遥の温もりが離れていく。
じっと近い距離で私の目を見つめる遥
「俺にとって莉子は昔から、何よりも大切な女の子」
「会えなかった3年間でそれまで以上に自覚した。」
それだけ言うと、腕を私から離して、片方の口角を上げる。
悪戯する子どもみたいな顔をして、そっと私の右手を握ると、そのまま目を瞑った。