年下幼なじみにずっと愛されてました
両手を握りしめ、目には涙が浮かんでいる。
…遥に彼女がいたことは知らなかった。
知らなかったけど、私と遥の関係を彼女の立場から見れば、確かに仲が良すぎるのかもしれない。
『…ごめんなさい。』
そう思うと自然と頭を下げていた。
誤解してしまう距離感で接していたら、彼女に申し訳ない。
それに、遥にもきっと迷惑かけてただろう。
けど、……想像できない。
遥が側にいない生活が全く想像できない。
想像しようとするけど、何故か怖くて、思考を無理矢理止めてしまう。
『じゃあ、離れてくれるのね?』
頭を下げたまま動かない私に嬉しそうな声がかかる。
『…ごめん、なさい。……少しだけ。少しだけなら遥と関わっても良いですか?』
『はあ?』
返ってきたその一言に体が大きく震える。
スカートをぎゅっと握りしめながら、より深く頭を下げる。
『彼女さんの邪魔になるようなことはしません。……ただ、少しだけ。なるべく話さないようにもします。』
『まあ、良いわ。今回は忠告したかっただけだもの。』
そう言うと、ずっと頭を下げてる私の下にしゃがみ込んで、私の顔をグイッと上げる。
『約束してね?白石莉子ちゃん♪』
可愛らしい声と雰囲気を再び纏い、出て行った先輩
それから私は、遥と会わないように行動した。