拝啓 元カレ上司サマ

麗香の部屋は5階建の3階にある。

沙穂はエレベーターを降りて、慣れた感じで部屋に着いた。

と言うのも、時々沙穂が、わざわざ訪ねてくれていたのだ。

その優しいさに、麗香はいつも感謝している。

さて、母親が鍵を開けると直ぐに、挨拶もそこそこに、沙穂がなだれ込んで来た。

「麗香」

余程心配していたのだろう沙穂は、麗香に抱きついて泣き出したのだ。

「麗香、麗香…無事で良かった…」

それを聞いた麗香は、こんなに早く来てくれた沙穂に礼を言う。

「来てくれて、ありがとう。仕事大丈夫だったの?本当にごめんなさい」

沙穂は、麗香から電話をもらった時よりも落ち着いているのを見られて、
安堵していた。


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