拝啓 元カレ上司サマ

煌太のことや本当に下らない話を親友とした昨夜は、これからの麗香にとってターニングポイントとなるかも知れない、重要な一夜だったのだ。

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夜中に目が覚めた麗香は、むにゃむにゃ言いながら眠る沙穂に囁く。

「沙穂、心配掛けてゴメンね。本当に感謝しかないよ」

ここ数年涙もろくなってしまって、よく泣いていたけれど、これからは嬉し涙を流したいと、何とか前向きになった麗香は深呼吸する。

「もう後ろは振り向かない」

麗香は、窓から覗く夜空の月に誓うのだった。

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