拝啓 元カレ上司サマ

話を聞くにつれ、煌太の心臓はバクバクと音をたてて激しく動き出し、 もう止めてくれと叫びそうになるのを思い止まるのがやっとだった。

その部長が言うには、役員と彼が披露宴に招待されて、それはそれは盛大なものだったそうな。

そして、新郎新婦がこれまたおとぎ話の王子様とお姫様のようで、美しすぎる二人がどうだったこうだったと感想を述べて、最後に爆弾を落として、それではまたと言って、元々買っていた席へ戻って行った。

「そう言えば、その若奥様なんですけどね、どうやら出来ちゃった婚らしいんですよ。今思うと、少し腹の膨らみが目立ったような感じもありましたね……」





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