拝啓 元カレ上司サマ

そう言った宗也の目はギラギラ輝き、もしや煌太との過去を知っているのではという思わせ振りな話し方。

煌太の方も、何やらただならぬ宗也の気配に一瞬怯んだが、何事もなかったかのように接する。

「これはこれは、田上薬品の…副社長に昇格なさったのですね。その上ご結婚も…二重のお慶び、おめでとうございます」

こちらも意味深な笑顔を浮かべて、宗也に祝いの言葉を述べる煌太に、会議室にいる面々は、若干温度の下がった部屋の雰囲気に驚いて、何が始まるんだと、興味津々といった感じである。




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