拝啓 元カレ上司サマ

もしかしたらオーナーが、二人の過去の事柄を承知の上で、言わば麗香を悲しみのドン底に突き落とした首謀者の煌太に難癖を付けようと、機会を伺っているのではないかと、ひねくれた見方をしてしまう。

しかし、そうではないようだ。

オーナー夫婦は当時を思い出しているのか、悲しみに沈んだ可愛い姪っ子にシンパシーを感じているのだろう。

そして、その何年もの間見守ってきた姪っ子の、最愛の夫の死についても、麗香の叔父夫婦は心を痛めているのだ。

涙ぐむこの夫婦も、麗香の幸せを願っている、彼女の大切な親族なのだ。






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