拝啓 元カレ上司サマ
この時、麗香は夢を見ていた。
天国に逝ったはずの宗也が、麗香をそっと抱き締めて、泣かないでと彼女の目から溢れる涙を拭う。
それが宗也だと気が付いた麗香が、夫に言った。
「宗也さん、どうして置いていってしまったの?」
さめざめと泣く麗香を抱き寄せて、宗也は彼女の髪に口付けた。
本当にごめんなと告げる宗也を見つめる麗香は、連れて行って欲しいと懇願する。
お願いだからと、宗也にすがり付くけれど、彼がそれは無理なことだと、麗香を諭す。