拝啓 元カレ上司サマ


もちろん煌太にも、記憶喪失時代の元妻優希との目眩く(めくるめく)思い出だってある。

そして今、どんなに悔やんでも、その時に麗香を無下にして、優希を選んだ過去は消えてはくれない。

そして、麗香と煌太には、決まった相手もいないのは事実である。

何だか面倒臭く考えてしまったと、煌太は苦笑いして、麗香の手をギュッと握りしめた。

自分が麗香とどうなりたいのか、もう一度考えてみたが、やはり、この先ずっと手を取り合って、仲良く寄り添って“夫婦”として生きていきたいと、強く強く思ったのだ。








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