今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
「いーよ。つうか、お前が言わなくても初めっから送るつもりだったし。なんのためのコイビト設定か忘れたのか」
さっきまで斜め前を歩いていたはずの響平が、少しペースを落として、すぐ隣に並んできた。
こうやって歩くのも最初で最後。
前方には、もう私の住む街の景色が見え始めている。
「瑠花」
名前を呼ばれると同時、ぐいっと腕を引かれた。
響平の匂いが鼻孔をくすぐる。
「っ、なに……?」
「足元危ねぇ」
「……あ」
私が歩いている数センチ先に、空のペットボトルが落ちていた。
踏んでしまわないように注意してくれたらしい。
それだけのことなのに、触れた部分が熱を持つ。
私から手を放した響平が足元にかがみこんで、ペットボトルを拾い上げた。
ひょいと放り投げたかと思えば、ペットボトルは綺麗な孤を描きながら、その先にある錆びたダストボックスの中に吸いこまれていく。