今夜、最強総長の熱い体温に溺れる。 - DARK&COLD -
違う。
たぶん違う。
だっておかしいもん。
こんな短期間で、まだ知らないことだらけの人を好きだと思うなんて。
初めての経験だからドキドキしてしまうだけ。
きっとこの土地の空気に酔っているだけ。
もとに戻れば冷めるはず。
だから、やめて。
こんなふうに……
「……っ」
──簡単にキスなんかしないで。
「……なんで今……?」
「俺以外のこと考えてたらむかつくなー、と思って」
「……っ、だったら何? しかもここ外だよ」
「俺のことだけ考えさせたい」
「っえ、な、にそれ」
最初から、響平のことしか考えてないよ。
でも、もう忘れなきゃ……。
高鳴る胸をそっと押さえながら歩き出す。
今度はさっきと逆。
私が前を歩いて、響平があとをついてくる。
「なあ。そんなに急がなくてもいいんじゃねえの」
「だって、早く帰らなきゃ怒られる……」
今できるのは、正反対の気持ちを口にして自分を抑えこむことだけ。