Love Eater
さっきまで死ぬために生きているなんて言っていたのが嘘のように、この短時間であっという間に普通の子供らしさが身についてきた六花の姿。
そんな変化にはソルトも改めて安堵し、とくに意味まなく晴天の空を仰いだ刹那、
「何で…」
「……うん?」
「何でこんな事をするんだ?」
「……こんな事?」
「僕を連れ出して名前を与えて服を与えて欲を覚えさせて。……これがお前が僕にしなきゃいけない事の一つなのか?」
「あー、いや。しなきゃいけない事とは違うんだが…」
寧ろするべきことを放棄して、魔女の因子を連れ回して遊び惚けているともいえるこの現状。
上にバレたらただでさえ見習いの安い給料が減給されるだろうな。と、現実を見つめればげんなりとまでしてしまう。
それなのにどうして。
ソルト自身その問いかけを自分にしてしまえば、
「……さっきのまま、土俵違いじゃお前に何も伝わらないって思ったからだよ」
そんな結論がストンと口から弾かれたのだ。
ソルトの返答には、どういう事だと大きな目をパチクリと向ける六花がいて。
早く説明しろと言わんばかりの眼差しにはソルトの方が苦笑して頭を掻いてしまう。
それでも、ゆっくりベンチから身を起こすと、わざわざ六花の前まで移動して目線を合わせるようにしゃがみこんだのだ。