Love Eater
ずっとソルトの言葉を信じてきた六花には、いつだってもどかしさでいっぱいだった。
目に見えて自分への好意は見えるのに、どうしてか心を抑制させる事に。
他の理由を優先に蔑ろにされる事に。
それでも、ソルトの優しさや甘さは自分が一番理解している。
だからこそ曖昧な距離や関係でも嬉々として受け入れて笑っていたというのに。
とうとうソルトは自分との決別を示してきたのだ。
それがソルトの本意でないのは分かっている。
自分の考え及ばない事情や理由があるのだろうと。
それでも、理屈が追いつくより早く裏切られたと感覚的にプツリと切れてしまったのだ。
尽く自分の信じてきた全てを裏切られたと。
そう感じてしまえばみるみると【六花】である事にも無理が生じて。
ソルトが作った六花で在る事にさえ夢も希望も抱けなくなってしまったのだ。
なのに、恋と言う感情は実に厄介で、やめたいと思ってやめられるものでもなく、消したいと思って消せるものでもなく。
もどかしさが積もり積もれば愛だった物が黒く変色して憎になる。
そうして選んでしまったのだ。
「ソルトなんて……咲く前に摘み取られた私を見て苦しめばいい」
「実に同感だね。そんな健気でいじらしい六花ちゃんの為に俺は喜んで復讐の道具になろうじゃない」
愛するが故に傷つけることを。