Love Eater
堪らない。
そんな感覚さえ浮上してしまえば神父と言うより一人の男としての欲求がじわじわと内側に満ちてくるから厄介なものだ。
しかも今までと違い、一度自分でその感情を認めて受け止めたのだから抑制もままならないときている。
これは思っていた以上に厄介だな。と、苦笑はするものの、本気では困っていない事も理解しているから更に厄介。
とにかく、他の魔女だと余計な警戒を置く必要は無くなった。
それでも、今の自分は神父なのだと形ばかりに身を引き締める直すと、勢いよく外に飛び出しその姿を探して銃を構えたのだ。
……が。
「……………れ?」
四方八方、なんならその視野は夕刻の空にまで広げているというのに想いを馳せていた姿を捉えることはなく。
気が付けばぐるりと一周した視界はもう一度と逆回りでその姿を探し求め始める程に。
確かに……居る。
この甘い匂いばかりは誤魔化しようのない六花の魔女の香りだ。
こういう時ばかりは実に都合のいい魔混じりの特権と言うのか。
匂いを感じ取れなければ姿が見えぬからと程々にその身を退いていたかもしれない。
その匂いを辿れば凡その場所を把握することは容易い事で。
やはり、ぐるりと一周。
そうして定まった視界には自分が通ってきた建物内へと通じる入り口があって、その扉はソルトが入ってきた時の状態で開かれたまま。