Love Eater



過去の逢瀬などまるでリセットされた様な警戒心の剥き出しには、流石のソルトも段々に切なくなってくる。

いやいや、六花をこんな風に警戒させたのはソルト本人であるのだから、ここは堪えて持久戦に臨むべきであるのだが。

とにかく刺激すべきではないと短時間に悟ればソルトであっても俺様封印に様子を伺うのだ。

そうして根気よく六花の出方を待っていれば。

「っ……その、」

「ん、……なんだ?」

「………ち、近づいても……平気?」

「……ふぇっ?あ、いや、銃ならほらもう仕舞って、」

「か、噛みつかない?」

「………」

「い、いきなり飛びかかって来ないっ?大丈夫っ!?」

まるで獰猛な獣に対する警戒の如く。

ふるふると震えながら弾き出された確認には、ソルトの頭でチーンなんて鐘の音が鳴り響いた気がする。

俺は獰猛な犬か、獣かっ!!

いや、実際狼の血を引く獣に違いねえけど、そうじゃねぇっ!!

これでもソルトは六花に対してかなりの自制を効かせて接してきているのだ。

良くぞ耐えたと褒められても、こんな怯えられる筋合いは無いぞとなんだか無性に切なさが込み上げてくる始末。

なんなら声を張って「あほか!」と突っ込みたい程の衝動であったのだが、そこはゴクリと飲み込み溜め息で逃すと。

「そんな躾のなってねえ犬みたいな事するかよ」

「ほ、本当に?」

「そんな信用ならねえならお得意の魔女っ子発揮に縛り上げるなりどうぞ」

流石にここまで怯えて警戒する姿に理性を飛ばす筈もないが。


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