Love Eater



これでも大人の駆け引きを熟す出来る男であったと自負していたのに。

それが六花の駆け引きなんてまるでない、どストレートな愛くるしさと愛情表現にはあっさりと撃ち抜かれて瀕死状態。

それはもう自分へ『どうした俺!?』と問いかけたくなるほどに。

それでも、

それでもだ。

それでも一つだけ六花の言葉に異を唱えたい理性があり、見事自分を立て直してくれたのだ。

一つだけ、違う。

間違ってる。

「……『これなら』なんかじゃねえよ」

「……えっ?」

「このお前も、だ」

「……ソルト?」

「今までのお前でも充分」

「っ……」

「どんなお前でも……愛し尽くしてやるっての」

『アホ』っと小さく付け加えた悪態は失笑混じり。

そのままそっと六花を抱き寄せると額を合わせながら髪を撫でて。

確かにこの六花には恐ろしく魅了されたと言える。

それでも、この姿に限らず心底愛おしいと思っているのだ。

愛おしい六花という姿の魅力的な一面というだけ。

この姿であるからの愛情だなんて安い感覚でない。

それを間違えるなと言わんばかり、至近距離で水色の双眸を見つめ抜くと優しい所作で頬を撫でて六花の反応を伺っていく。

少なくとも先程の様な激昂や興奮は収まったように感じる。

それどころかどこかしおらしく清廉で。

黙ってある姿は白百合の様に美しい。

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