Love Eater



純粋に綺麗だと感心し目を細めた刹那。

スッとその身を動かしたのは六花の方。

華奢で白い指の先がそっとソルトの両頬に触れて。

次の瞬間にはお互いの鼻先がヒトっと触れ合う。

先に額を寄せたのはソルトの方であるが、それを埋めにくる六花の反応には流石に戸惑って心が動揺し始めてしまう。

この距離はなんだろうか?と。

捉える表情にチラつく扇情さは自分の都合の良い勘違いだろうか?

再び徐々に増す体の密度は?

期待に満ちた様な水色の双眸は?

ソルトの経験からすればそれこそ誘惑的な印象を六花から感じ取っているのだが。

それを断定するにはどうにも躊躇いがあって行動には移せない。

だって、怯えて逃げられたばかりなのだ。

雰囲気と勢いに乗ってここだろという場面で口づけた直後に逃げられたばかり。

あんなに怯んでいたのだ。

再会した今日もまた怯んで警戒しまくっていた六花なのだ。

それを知っているからこそ自分の経験値と価値観のみで行動していいものなのかと、ここに来て分からなくなってしまったわけで。

どうしていいものか躊躇うままにフリーズして、ただ六花の魅惑的な眼差しを見つめていれば。

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