Love Eater


軽い力とはいえ起きる事すらやっとであるソルトの身体はあっさりつき崩れてベッドに沈むのだ。

そんなソルトを覗き込みながらベッドに腰を下ろしてくる姿は小柄。

齢15、6程に感じる姿は性別すら判断しかねる中性的な顔立ち。

透き通る様な白髪と白い肌。

長い睫毛の猫目と薄くも艶やかな唇は記憶する限りいつも妖しく笑んでいると思う。

そうして、いつだってその身を和服に包み、愛用の煙管を咥えて紫煙を揺らすのだ。

その甘い香りたるや…

「おい…それ、ヤメろ」

ソルトも自他共に認めるヘビースモーカーだ。

普段は自分だって公害と言える紫煙を撒き散らしているわけで。

自分の好みでないからといって人の趣向に口を挟む様な真似はしない。

だけども今この状況では話は別。

只でさえ不調である中での馴染まぬ匂いはキツイのだと、鼻を押さえてまで訴えたというのに。

クスリと笑う姿は煙管の灰を落とすどころか、ソルトに向かってフーッと紫煙を吹きかけたのである。


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