Love Eater


それには悪態の声も挙げられぬ程にダメージを食らったらしく、悶絶のままに枕に顔を埋めたのだ。

そんなソルトをクスクスと一笑。

「ワザワザ出向いてやったんだ。徒労の一服くらい良しとしなさいよ。只でさえ外では自由に吸えぬこの容姿なんだからさ」

「見た目詐欺のエセガキが。中身の実年齢はジジイに近いんじゃねえのか百夜ひゃくやさんよ?」

「そうさね。だからこそ目上はどんな時も敬うべきだ。老い先短いかもしれない年寄りの趣向に口出す野暮はしなさんな」

殺しても死なねえようなタチの悪さしくさってからに。

そんな悪態を口内で留めたのは体力の無駄だと悟ったから。

いくら食ってかかろうが無意味。

飄々とした百夜というこの男は自分のペースを曲げたりする様な事はない。

それを相手に熱り続けられる程ソルトも余力がない。

結果、押し黙って荒い呼吸だけ響かせて熱の消化に励み始めれば、ようやく男も煙管を口から離してソルトへと手を伸ばしたのだ。

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