Love Eater


「こりゃあ見事な犬歯になって。何にこんなに興奮したんだか。自制心が売りのリッくんが珍しいねえ」

「はぁ…はっ…」

「こんな風に身体を変化させちゃう事自体稀だっていうのに……、抑制不能の興奮状態の継続ときてる。しかも、ただの興奮と言うよりこれは……性的興奮だあね」

「っ…はぁ、」

「欲情しっぱなしで数日とか。そりゃあ流石のリッくんもへばるわけだわ。でもまあ、ある意味これで犬歯止まりなんだから流石って褒めてあげるべき?」

「ハァッハァッ、黙ってれば分かりきってる症状を楽しげに連ねやがって。ワザとだろうてめえ…」

「嫌だなぁ、列記とした事前診察ってヤツだよ。薬を処方する側の真っ当なお仕事ですよ?」

「だったらもう充分だろうが…ハァッ、薬…」

「薬に頼るより健康的に体使って発散させるのが一番てっとり早くて快感よ?リッくんが一声かければ靡く女なんていくらでもいるでしょうに」

「ハッ…俺もそう思ったよ…」

「と、言うと?」

「…手っ取り早く発散させようとした結果がこのザマなんだって」

ソルトだっていい大人だ。

込み上げた熱や欲の処理くらいは心得ているしウブな性質でもない。


< 23 / 216 >

この作品をシェア

pagetop