Love Eater


その研究者のまたの名を魔導師。

自分自身魔に精通し、人に成せぬ技と知識を持ち合わせているからこそ、対魔の研究も処置も可能であるのだ。

そして、【神父】の仕事もまた魔女だけを追う事ではなく、未だ未発見未擁護の異例種を確保する事も生業とされている。

「隔世遺伝の異例種なんて爆弾抱えてる君には過度な興奮が一番の起爆剤だってのにねえ」

「ハァッ…分かってるなら…薬…」

「いつもの安定剤じゃ効果無しというわけだ。あれだって中々に効果が強い方だと思うんだけどな」

「知らねえよ。実際飲んでも気休めにもならねえからこうなってんだよ」

「それだけ異例種である方の血が刺激を受けて騒いでるってわけだね。……何が原因だろう?」

「だからっ、自分でも意味分かんねえって…」

「何故?じゃなくて何が?だよ。この興奮のキッカケになった始まりを聞いてるんだよお馬鹿さん」

あるんだろう?

そんな含みを感じる意地悪く妖しげな笑み。

言わずとも隠しおおせたい事まで全て見透かしている様な目をしているくせに。

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